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 完成
 
 
アフリカタンザニア メルー山4566m
 
 2016年2月4日~13日

 坂口 み  記
○行動予定
・2/4 成田空港夜発~
・2/5 ドーハ~キリマンジャロ空港~アリューシャ泊  
・2/6 登山開始
    モメラゲート1500m~ミリアカンバ小屋2514m
2/7 ミリアカンバ小屋~サドル小屋3570m
 2/8 サドル小屋~メルー山4566m~同ルート下降~サドル小屋~ミリアカンバ小屋
 2/9 ミリアカンバ小屋~モメラゲート~セレンゲッティ
    登山終了 
2/10 セレンゲッティ サファリ
 2/11 セレンゲッティ サファリ~オルドバイ渓谷ハイキング~アリューシャ泊
 2/12 アリューシャ~キリマンジャロ空港~ドーハ
 2/13 ドーハ ~成田空港
 
 
 

 

メルー山はキリマンジャロの西50キロに位置する4566mの山である。山頂からキリマンジャロの背後から昇る朝日がよく見えることと、ウオーキングサファリが出来ることで欧米では人気がある。日本ではマイナーだが、キリマンジャロの高度順応のために登る日本人もいるということで、これから一般的になるかもしれない。一見するとたおやかな山だが、1800年代にも噴火した火山で、ルートは登山口より山腹を東寄りに登り、火口クレーター上部の岩と砂礫の稜線を反時計回りに回りながら山頂まで登っていく。ルート上困難な所は無く、特別な技術は必要無い。森林限界は3800m付近で豊かな森林と草原に覆われた山である。登山は許可制で国家公務員であるガイドとライフルを携帯したパークレンジャーが必ず同行する。

 
 

2/6 モメラゲート1500m 11:00~ミリアカンバ小屋2514m 15:30

ミリアカンバ小屋までのルートは疎林と草原の北ルートと森林の南ルートがある。今日は日差しが強く暑いので、南ルートを選んだ。背の高い熱帯樹木には大量のさるおがせが着いていて、日本ではさるおがせは冷涼な深山に着いているとのイメージがあったので、少し戸惑った。
やっと涼しくなってきたなと思ったら、標高2500mのミリアカンバ小屋に到着。いつも海外の山で感じることだが、たいして長い時間をかけずに緩やかな道をだらだらゆっくり登っただけなのに、標高差1000mを稼げるのが不思議だ。日本で1000mといったら、結構きつい登りになるだろう。

    2/7    ミリアカンバ小屋8:00~サドル小屋3570m 13:00

熟睡していたので気が付かなかったが、昨夜は大雨だったらしい。幸いにも出発時には止んでいたが空はどんよりとして今にも降り出しそうだ。もう乾季のはずなのに・・・。おかげで涼しいのは助かるが、景色が見えない。ようやく山道らしく急登も出てきたが、日本の山よりよほど楽だ。さるおがせは相変わらずだが、熱帯樹木の代わりに背の低いヒースが多くなってきた。
山火事の跡である炭になった立木の疎林を抜けるとサドル小屋に到着。驚いたことに小屋の敷地にバッファローの糞が大量にある。バッファローはいつも不機嫌な動物でかっとなると数百キロの巨体で突っかかってくるアフリカで一番危険な動物だから夜、トイレに行くときは気を付けろと言われた。でもどう気を付ければいいのかしらん。 小屋に入ったとたん雨が降り出した。

 
   

2/8    サドル小屋1:00~メルー山6:00~サドル小屋11:00~休憩1時間~ミリアカンバ小屋16:00

出発直前まで雨だった。12時起床で眠れる時間は短かったが、幸いにも熟睡できた。最初は緩やかな砂礫の道だが4000m付近よりいよいよ岩場が始まる。おまけに雪まで着いている。
鎖場のトラバースあり、何度も繰り返す上り下りなど疲労感が増すルートだが、なにしろ真っ暗で足元しか見えないので結構調子が上がる。前穂の岩場のような頂上への最後の登りもメンバー全員さくさくとこなし、意外と簡単に頂上に着いた!
でもまだ暗く、日の出待ちである。しかし
いくら待ってもガスの中キリマンジャロの姿と朝日は見えない。なんかぼーっと少し明るくなってきたなーと思ったらそれが日の出だった。
残念!

 

加えて雹まで降ってきたので、さっさと降りることとした。下りは半端に景色が見えるので恐ろしかった。足元の壁の下は地獄の底のようで、溶けかかった雪は滑る!滑る!ガイドが通常では無いはずの雪があるので神経質になって、右手で岩をつかめだの、あーだこうだとといろいろ指示を出す。
降りるにつれ雹が雨になった
のでメンバー全員ががっくりしてしまう。その中で60をとうに超した男性のAさんが速いペースで皆を引っ張ってくれた。彼は海外登山100座を目指し、メルー山で50座目である。ヒマラヤ登山で手の指2本を失いながらも、この気力、体力、経済力!本当に頭が下がる。
途中サドル
小屋で暖かいうどんを頂いてからミリアカンバ小屋まで下山した。
今日は1000m登って2000m
降りた。小屋に着いたときは雨具の下まで全身びっしょりだった。

 
   
  2/9    ミリアカンバ小屋7:00~モメラゲート9:00

 なんと今日は抜けるような青空だ。おまけに連日の雨で空気が冷えたせいか、高原のように爽やかだ。ルートはもちろん草原の北ルートを選んだ。
今日は期待できるなと思っていたら、い
たいた!優雅なキリンである。登山道の脇にすくと立ち、どうやら道向こうの仲間の元に行きたいらしい。私たちが写真を撮ったり、手が届くほど近寄ってもびくともしない。目を伏せながら辛抱強く私たちが去るのを待っていた。
サファリには3つの決まりごとがある。エサをあげない。大声を立てない。サファリカーから降りない。つまり通常のサファリは車越しに動物を見るものだ。今回のように自分の足で歩きながら動物に直に触れられるのがウォーキングサファリなのだ。明るい気分で歩いていたらあっという間にゲートに着いてしまった。
全員でゲートの売店で買ったビールを一気飲みしてお互いの登
頂を祝った。


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