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         パプアニューギニア   ウィルヘルム山4508m
     2014年5月3日〜5月8日  坂口M 記


若いころ有吉佐和子さんや本多勝一さんの本を読んで、パプアニューギニアには一度は行ってみたいと思っていた。

また以前キリマンジャロに登って熱帯の雪山というものが植生が豊かで素晴らしいものだと感じていたので、思い切って今回登山に挑戦してきた。

出発前にいろいろ調べたが、その資料の少なさに驚いた。まず地球の歩き方にニューギニア編が無い!

でもニューギニア島は世界で2番目に大きい島だ。日本人はあまり行かないのか?でも金や液化天然ガスの産地で特に北東部の現在採掘中のガス田では全採掘量の半分を日本が確保したという。

オセアニア圏にあるので有袋類のワラビーがたくさん見られたし、海はとても美しかった。

 

5月3日〜4日 晴のち雨

 成田空港〜ポートモレスビー〜ゴロカ

成田からパプアニューギニアの首都ポートモレスビーへの直行便は1週間に1度、夜出る、夜行便だ。

定員の半分ほどしか乗っていなかったので、席を1列確保して完全に横になって寝ることができた。
とても楽だった。5月連休だというのにこれでは、やはり日本人はあまり行かない国なのだろう。

6時間半で到着。ここから国内線に乗り換えてゴロカへ。小さなプロペラ機だ。ニューギニアは道路事情が極端に悪く、飛行機がバス代わりなので、このような飛行機のことをエアバスと呼んでいる。

 

5月5日  晴のち雨

 ゴロカ1600m〜ケグルスグル2750m

ゴロカからは、ばりばりの4輪駆動車で、幹線道路のはずだが日本だったら絶対に通行止めになる。

ドロドロの荒れ荒れ道を6時間耐えた。車を2台チャーターしたが、土砂崩れの影響で1台が中型トラックになり、男性陣は雨が降る中、荷台に乗せられるはめになった。ちなみにゴ
ロカ周辺では普通乗用車を全く見かけなかった。普通乗用車では道路が走れないからだと思う。

登山口のべテイズロッジは清潔で、マスの養殖場がある。夜は冷えて暖炉に火を入れるほどだった。

 
 
          
 標高200m付近の小型ラン      同じ場所にあった小型ラン    ピュンデ湖への熱帯雨林 
          
地元の女性ポーター        標高3000m付近の木性シダの疎林    標高3500m付近の高山植物 
                                                         
  
                                                       


5月6日 快晴

 ケグススグル9:00〜ピュンデ湖13:00 3550

ロッジ前でガイド、ポーターと顔合わせし早速登山を開始する。ポーターには女性(年齢をきいたら
47
歳だと。)も混じり、裸足の人も多い。


登山道ははっきりしているが、あい変わらずどろどろである。この山にはロングスパッツが必携だ。

登山口付近はうっそうとした原生林で、世界のラン愛好家の垂涎の的の高地小型デンドロビュームの産地。樹木の苔交じりの幹にちらちらとそれらしきものが着生していた。雨季ならもっと色鮮やかなはずだが今は乾季なので残念だった。

標高が3000mを超えるころになると木性シダの明るい疎林になる。まるでジェラシックパーク。
でも足元には日本の山母子や薄雪草、きんぽうげそっくりの花が咲きここが現在の地球であることを教えてくれる。滝を目の前に見て台地を二段あがると小屋があった。大部屋ひとつと小部屋がふたつ。

食堂に簡単な台所がついている質素な小屋だ。収容人数はぎりぎり30人位か。外に穴だけのトイレテ、ントがふたつ。
 



                                                          
滝の前でガイド、メンバーと     ピュンデ湖畔の山小屋     山頂に続く稜線 
         
    ウィルヘルム山頂     山頂のプレート



5月7日  快晴

 ピュンデ湖2:004000m稜線6:00〜ウィルヘルム山頂10:30 4508m〜稜線から小屋への
 降り口13:30〜ピュンデ湖16:00

寝たんだか何だか分からない夜中2時に出発。沢を横切ったり、簡単な岩場を乗り越えたり、真っ暗なので
余計なことはせずやることは歩くだけで距離は稼げたと思う。それでも標高差500m弱の稜線まで4時間かかった。

ここからは4000m超えの稜線歩きだ。穂高周辺のような岩稜が続く。進行方向右側が切れ落ちたトラバース

が複数回あった。日本では梯子、鎖などあってもおかしくない場所だが、そういうものは一切ない。

神経を使って消耗する。雪も少量残っていた。

快晴で見通しはとても良いのだが、山頂は直前まで見えない。偽ピークがたくさんあって登ったり下りたり、
それでも徐々に標高を上げていく。最後はスラブの岩が現れてどうしようかと思ったが、 ガイドが手とり
足とり引っ張り上げてくれた。やった〜!でももうくたくた。稜線に上がってから山頂まで4時間半かかった。

ウィルヘルム山は稜線歩きが長い。その為体調を崩してもなかなか標高を下げられないのでそこは要注意である。

今日は登りも長かったが、下りも長かった。特に小屋が見えてから。私は疲れて途中気持ちの良い草原で30分位うたたねをした。ガイドがひとり、わきでたき火をしてくれた。昼間なのに結構寒いのだ。親切にしてくれたのに次の日にはそのガイドの顔が見分けられなかった。みんな一緒に見えてしまう。たぶん向こうもそうだと思うけど。

 


          
 お土産屋さん     カンムリバト   ワラビー 

 

5月8日  快晴

 ピョンデ湖8:00〜ケグススグル11:00

今日は下りだけ、一度歩いたことがある道だと思うと気が楽になる。のんびり歩きたいが、ゴロカまでまた
あの道を6時間耐えなければならない。乗車6時間だけでも体が壊れそうになるのにダカールラリーの参加者は
すごいな。

ボロボロになって、ロカに着いてシャワーの後のビールは最高だった。ニューギニアビールはなかなかです。

ウィルヘルム山(地元の人はマウントウィリアムと言っていた。どちらが正しいかわからない。初登頂者の名前)1年を通して登山可能だが、雨季は道路崩壊が多く、登山道は胸まで沈む湿地となり、4000m以上では積雪があるので、それなりの覚悟と用意が必要です。

日本人の初登頂者は正式な記録はないが、文化人類学者の西丸震哉氏ではないかといわれている。

とにかく登山者は少ない。今回も7日にイスラエル人ひとり会っただけだった。

 
 
 
 
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